データ分析初心者の備忘録

不定期で更新していきます。

ソーシャルゲームの分析事例まとめ

ソーシャルゲーム分析に興味があるものの、ソーシャルゲーム業界に詳しくないので他社でどのような分析が行われているのか過去の勉強会のスライドや記事を収集してまとめました。 調査方法は単純で、chromeのシークレットモードで「ソーシャルゲーム 分析」などと検索し、検索にヒットしたものから個人的に気になった事例を選定しています。 なお、4年前などのやや古いと思われる事例も自分にとっては参考になるので載せています。

目次

  • DAUを評価指標から捨てた会社の話
  • リアルタイムバトルでgloopsのデータマイニングがどう進化したのか…伊藤学氏が語る
  • 決定版:サービスの盛り上がり具合をユーザの数(DAU)から読み解く方法
  • Amebaソーシャルゲームにおけるr活用の体制と事例のご紹介
  • 【セミナーレポート】gloops山本氏がソーシャルゲームにおける大規模データの分析手法と活用手法を紹介…要諦はわかりやすく表現し改善に活かすこと
  • SED】勉強会 第5回ソーシャルゲームの行動解析
  • アニプレックスDeNA・マイネットのマーケ戦略。D2C Rセミナー「#MarketingLIVE」レポート

DAUを評価指標から捨てた会社の話

www.slideshare.net

  • 時期: 2013/05/18
  • 発表場所:TokyoWebmining
  • 企業:株式会社ドリコム
  • 発表者:ところてん氏

DAUとはDaily Active Userの略で、1日にアクセスしたユーザー数のことです。ARPU(Average Revenue Per User:ユーザー平均課金額)とよく合わせて利用されるようです。DAUはソーシャルゲーム業界で広く利用されるKPIですが、広告による急激なユーザー増加やユーザーの気まぐれな行動によるノイズの影響を受けてブレやすいという欠点があるようです。こちらの資料ではDAUの欠点を補う独自の指標について述べられています。なお、ドリコムだけでなく別の企業(gloopsやコロプラ)でもインストール後N日経過ユーザーのみをDAUとしてカウントし、広告によるノイズが含まれないようにするなど独自の工夫をしているようです。

リアルタイムバトルでgloopsのデータマイニングがどう進化したのか…伊藤学氏が語る

gamebiz.jp

リアルタイム・ギルドバトルゲームにおける分析の事例について紹介されています。白熱したバトルを演出するための工夫について述べられています。最適なマッチングを測るには同等な強さのユーザー同士のギルドを作り、ギルド同士のマッチングにおいても同等なレベル同士のマッチングが重要なようです。また、濃密なコミュニケーションが求められるギルドバトルのゲームでは、ソーシャル性のベースとなっている無課金ユーザーの重要性も高く、無課金ユーザーも十分楽しめるゲームにすることが大切だそうです。

決定版:サービスの盛り上がり具合をユーザの数(DAU)から読み解く方法

www.slideshare.net 2013年の資料で、DeNAの野上大介氏の発表です。 以下のようにDAUを「直近30日間におけるゲームプレイ日数」「1日における平均ゲームプレイ回数」の2軸で分け、色別でグラフにすることでDAUをユーザー行動の変化を読み取る指標として用いているようです。 f:id:kuze3110:20180204234110p:plain

Amebaソーシャルゲームにおけるr活用の体制と事例のご紹介

www.slideshare.net 2013年のサイバーエージェント アメーバ事業本部 高野雅典氏の資料です。 ギルドバトルゲームの分析事例が紹介されており、ギルド参加ユーザーの継続率に効く要因を決定木を用いて分析しています。 また、Amebaプラットフォーム内の別サービスの利用についてアソシエーション分析を用いて任意のサービスと相性の良いサービスを発見する取り組みが紹介されています。

【セミナーレポート】gloops山本氏がソーシャルゲームにおける大規模データの分析手法と活用手法を紹介…要諦はわかりやすく表現し改善に活かすこと

gamebiz.jp

データ分析の流れや改善策の提案時の見やすい資料の工夫、社内で開発されたツールの紹介がされています。 過去30日間のログイン日数でユーザーをBU(Base User)/FU(Follow User)に分ける分類方法とその欠点についての説明や、サンキーダイヤグラムを活用した導線改善事例が印象的でした。 f:id:kuze3110:20180205000723p:plain

SED】勉強会 第5回ソーシャルゲームの行動解析

www.slideshare.net

  • 時期:2015/08/31
  • 発表場所:株式会社シロク SED勉強会
  • 発表者:村松祐希氏 ユーザー行動をサンキーダイヤグラムで描画しユーザー行動を考察し、導線設計の参考にした事例紹介の他、ロジスティック回帰を用いて課金ユーザーの特徴を定量的に評価した事例が紹介されています。

アニプレックスDeNA・マイネットのマーケ戦略。D2C Rセミナー「#MarketingLIVE」レポート

mag.app-liv.jp

  • 時期:2017年9月26日
  • 発表場所:MarketingLIVE(アプリマーケティングのD2C RとRepro株式会社が共同で開いたセミナー)

以下3つの発表がまとめられています。

株式会社マイネット「Push通知によるリテンション向上施策について」

株式会社マイネット網浩樹 氏の発表では海外向けゲームアプリ「神界のヴァルキリー」を例に施策が紹介されていました。「キャラの魅力を十分に訴求できるリッチPush通知」「通知配信の適切な時間帯設定」「適切な通知を送るためのユーザーセグメント分け」の3点の工夫について述べられており、休眠復帰〜継続率の向上へとユーザーを導いてDAUを向上させた取り組みが述べられています。

株式会社DeNA「広告を正しく評価できていますか?」

株式会社DeNA 宣伝部デジタルマーケティンググループ グループマネージャー 川口隆史 氏の発表内容です。 DeNAではユーザを三分類し、広告では特に「未プレイユーザ向けの新規目的配信」と、「休眠ユーザ向けの復帰目的配信」を行っているとのことで、獲得ユーザー数を正しく評価するための5つのポイントと、獲得ユーザーのLTVを正しく評価する3つのポイントについて述べられていました。

(参考)獲得ユーザー数を正しく評価するための5つのポイント
  • 妥当なアトリビューション期間の設定 (新規目的配信 / 復帰目的配信)
  • できる限りビュースルーコンバージョンをカウント (新規目的配信 / 復帰目的配信)
  • 新規目的配信での復帰獲得も評価 (新規目的配信)
  • 再インストール復帰と起動復帰を両方カウント (復帰目的配信)
  • 復帰目的配信では自然復帰ユーザを考慮して評価 (復帰目的配信)

株式会社アニプレックス「アニメ・音楽・リアルイベントを連動したプロモーション」

バンドをもとにしたリズムゲーム「バンドやろうぜ!」の事例紹介では、ゲームに登場する個性的なバンドマンを演じる声優がリアルライブを実施し「2.5次元」のプロモーションを行った他、SNSを利用したコンテストを実施してリアルの世界でも盛り上がる工夫をしたとのことです。 また、「きららファンタジア」や「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」での独自の事前登録のプロモーション方法についても紹介されています。